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「日経MAC」10月号 『Macintosh Medical Report』より
価格は大手メーカーが販売するレセコンの5分の1!
八千代歯科クリニックの古屋浩院長が開発した「SARU」は、20万円で購入できる歯科用レセプトソフト。大手メーカーが約200万〜300万円程度でレセコンを販売していることを考えると、この価格はとても魅力的だ。
このソフト、価格が安いだけではない。登録作業のほとんどが選択式のため入力はとても簡単。マックの基礎知識があれば、短時間ででSARUの入力作業を覚えられる。「高額な大手メーカーのレセコンを導入しなくても、マックを使って同等なことができる」と、歯科用レ |
セプトソフト「SARU」(http://www.imedio-jp.com/)を開発した八千代歯科クリニック(千葉県八千代市)院長古屋浩氏は語る。大手メーカーのレセコンの価格は、パソコン込みで約200万〜300万円程度。リース契約で導入するのが一般的で、病院にとって月々3万〜4万円程度の出費となる。 一方、SARUは買い取りで、価格は20万円(オンライン版は18万円)。パソコン価格を考慮しても、大手メーカーのレセコンに比べて、トータル出費は5分の1程度ですむ。大手メーカーのレセコンは、リースの支払以外にも月々1万〜2万円程度の保守管理料が必要。SARUでは年4回のアップデートとメール、ファックスでのサポートを年間36,000円で受けられる。
『ほとんどの処置をクリックだけで入力可能』
2000年8月中旬現在で、SARUを利用している歯科医は約50人。Excelのマクロで自作したレセプトソフトの実用性を確認した古屋氏は、ほかの歯科医にも役立つと考え、データベースソフト「4th
Dimension」で開発した。1998年8月にテスト版の配布を始め、1999年3月にMac版を販売。2000年9月にはWindows用ベータ版を公開する予定だ。 SARUは、患者への処置や、処方箋を入力すると、自動的に保険点数を計算する。このため、レセプト発行機能のほか、患者の処置記録を保存できる。2000年10月には、ベータ版ながら会計、給与管理機能の追加も予定している。SARUの特徴は、患者の処置を記録する際に表示する「クイックアクション」ウインドウ。ウインドウ上には、歯科医が行うほとんどの処置を登録してあり、ボタンをクリックすると、後は質問形式で患者に行った処置を登録できる。
『歯科医の経験を活かし、現場で日常使う用語を採用』
快適な動作を保証するため、SARUはiMacを含むPower Mac G3 以降の機種を推奨する。八千代歯科クリニックでは、古屋氏が紙のカルテに患者への処置内容や処方箋を記載して、スタッフがカルテを見ながら受付のiMacで入力する。慣れれば入力は2分程度で完了するとのことだ。通常、レセコンの入力を覚えるには2ヶ月程度の教育期間が必要だが、SARUではマックに対する基礎知識があれば、すぐに入力できるように設計されている。前述の選択式で処置を入力する以外にも、古屋氏の歯科医としての経験を生かし、SARUの用語にはなるべく治療現場で日常使っている用語を採用した。SARUのように個人が開発したソフトは、ユーザーのリクエストが反映されやすい。SARUの販売を担当するImedioには、専任のプログラマーが1人いるので、不具合があってもすぐにソフトのアップデートが行える。一方、大手メーカーのレセコンには、サポートが充実していることによる安心感という大きな魅力がある。価格で選ぶか、安心感を重視するかは、最終的にユーザーが判断することだが、SARUのような低価格レセプトソフトが普及することで、ユーザーに選択枝が生まれることは歓迎すべきことだろう。
日経BP社 「日経MAC」
2000年10月号掲載記事より抜粋
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